これまでタイトルを「高校受験における考察」として書いてきましたが、内容が高校受験から外れてきましたので、「学校教育と受験についての考察①」と変更します。
約10年ごとに改訂される文科省の新学習指導要領を読んでみました。箸の上げ下ろしに至るまでと表現できそうなことが事細かに書かれています。しかし、これを最後まで読むことは相当の根気と忍耐が要り、途中で読むことを止めてしまいました。私の能力では字面を追うことはできますが、内容はほとんど頭に入ってきません。現場の先生方はこの内容を頭に叩き込んで、逐一その示すとおりに日々の授業を行っているのでしょうか?
もちろん文科省も一般向けには分かりやすい(と思われる)リーフレットを作成していますので、学校教育をどのような方向に持って行きたいかということは知ることができます。
新学習指導要領には、『子供たちの「生きる力」を育むために、「主体的・対話的で深い学び」を重視して授業を改善し、「カリキュラム・マネジメント(注)」を確立することによって学習効果の最大化を図る。この指針に沿って子供たちが社会に出てからも学校で学んだことを生かせるよう、①学びに向かう力、人間性 ②思考力、判断力、表現力 ③知識及び技能 の三つの力をバランスよく育む。』と書いてあります。
う~~~~ん。
学校の授業見学に行くと、確かにグループワークを取り入れた対話型の授業は増えてきています。しかし、それは本当に子供たちの主体的、対話的な学びなのでしょうか?教師が指導要領に基づいて仕組んだ枠組みの中での「対話」であって、それを主体的とは言えないのではないでしょうか。自分の成長のために自ら学ぶ子供や、人との関わりが苦手な子供は学びやすいのでしょうか。
それに対する答えとして、早稲田大学の高橋あつ子教授が「学びのユニバーサルデザイン」という考え方を授業に取り入れることを提唱されておられます。こちらは本論ではありませんので、興味をお持ちの方はご自分でお調べ下さい。
多少脇にそれましたので、話を戻します。
学習指導要領の方向性としては「自ら深く考えて学習し、社会に貢献できる人間の形成」という意味で間違っていないと思います。
公立の小中学校に限って言えば、学力のレベル差があることを承知で画一的な授業をしていることが問題なのです。
続く。
(注)カリキュラム・マネジメントとは
児童や学校,地域の実態を適切に把握し,
① 教育の目的や目標の実現に必要な教育の内容等を教科等横断的な視点で
組み立てていくこと,
② 教育課程の実施状況を評価してその改善を図っていくこと,
③ 教育課程の実施に必要な人的又は物的な体制を確保するとともにその改善を
図っていくこと
などを通して,教育課程に基づき組織的かつ計画的に各学校の教育活動の質の向
上を図っていくこと
だそうです。