今年度の高校入試において、当塾では前期入試で75%もの生徒が合格し、中期入試では3名のみが受験、合格する結果となりました。前期の合格率は学校間格差が大きいので一概には言えませんが、平均すると例年は30%程度であるのに対して、今年度に限っては50%弱になっています。偏差値の低い学校がかなりの数の定員割れを起こした結果だと考えられます。
また、中期に至っては山城地区で城南菱創が2.1倍、南陽が1.1倍の他は大幅に定員割れを起こしています。京都八幡においては0.03倍と異常な数値です。90名の募集定員に対して3名しか応募がなかったわけです。
京都地区でも偏差値上位校以外はほとんど定員割れ状態でした。
このことは何を意味しているのでしょうか?
中学校が学力レベルの低い生徒を軒並み私立の低位校に進学させているという事実が最大の要因であるでしょう。また、教育支援制度が充実してきたことで、従来経済的に私立に通わせられなかったご家庭でもそれが可能になったこともあります。更に公立高校であれば学力不足で単位が取れなければ留年そして退学ということも日常茶飯事ですが、私立高校ではそのあたりは面倒見がよく、よほどのことがない限り様々なフォローをしてくれます。
公立高校がかなりの確率で定員割れを起こすと考えるならば、中学生は勉強しなくても高校に進学できると思うのは当然のことでしょう。とすると学校でも勉強せず、高校に進学するために塾に通うということもなくなるかもしれません。その結果はどうなりますか?
学力が伴わないままに高校生となっても当然高校の勉強について行けるわけがなく、留年・退学者が増加する道理となります。
よしんば卒業できたとして、その先は? いまや大学も選ばなければ全入の時代ですから、大学進学も可能にはなります。しかしながら学力がない学生が増加していけば、日本の未来はどうなるのでしょう。ここでいう「学力がない」とは、低偏差値大学に在籍する大学生に中学レベルの一般的な学力すら備わっておらず、自ら考える力が弱いということです。
続く。